「ねえ、今、何してるの?」と、聞けば、何と答えてくれるかな?
「ねえ、幸せだったの?」と、聞けば、どんな言葉が……。
突然すぎて、こんな日がくるなんて思いもせず、君の笑顔も、あの日が最後になり、どうして君だったのか、どこに悲しみをぶつけたらいいのか、苦悩の日々だった。
寡黙な妻でしたが、心(しん)の強い女性で、笑顔の素敵な彼女がいるだけで、家族全員が幸せだったのに、何ひとつ疑う事のない日々の生活も、臆病となり、笑う事が出来なかった。
妻が亡くなって、今年で八年。
「ありがとう! 君がいてくれたから、私はとても幸せでした」
ごめん! 今だから、照れずに言えます。君を、守っていたと自己満足の私でしたが、守られていたのは、自分だったと気づきました。
「ありがとう! 子ども達の頼れる母親として、どんな時も笑顔でいてくれたね」
君の宝物だった子ども達も、大人となり、自分の人生を歩み始めています。娘ばかりで、男親では心配ですから、いつまでも、娘達の味方でいてください。いつまでも、君の大きな愛情で、抱きしめてください……お願いします。
馬鹿な私を選び、結婚して二十一年。
「君の笑顔が、大好きでした」「私を、愛してくれて、ありがとう!」
君には感謝の言葉しか出てこないよ。今も、私の心に残る言葉があります。
「かわいい、おばあちゃんになるわ!」
娘から、妻が話していたという事を聞いた記憶があるが、唯一の夢だったのだろうか?
一人で、泣いた。悔しくて、悲しくて、叶えてあげられない現実に、妻の無念を悟りました。
「ありがとう! ありがとう!」
「幸せでした」の声が、聞きたい。