第12回
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言えなくて、ごめんなさい
知らせを受けて病院に駆けつけた時、もう意識が無かったお父さん。八十歳でも、また元気になれると思っていたのに。お父さ…
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私の、おばあちゃんへ
おばあちゃんが亡くなって何年経つのか分かりませんが、今でも覚えています。冷えた掌、施設の匂い。おばあちゃん、優しくで…
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四つ葉のクローバー
母さん、別れてから四十年になるけど、そっちにいっても「四つ葉のクローバー」を探しているの。こっちにいた時も探してい…
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お揃いの靴
あなたと知り合ったのは就職一年目。幼稚園教諭となり試行錯誤の毎日。慣れない仕事に書類などにも追われ、休日も一緒に仕…
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また逢う日まで
がんの告知を受けてからも穏やかに暮らしていたあの頃……散歩中に「今、一つ叶えられることがあるとしたら? 」とあなたに聞…
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おじいちゃんの写真
「仏様みたいに穏やかな人じゃ」と皆に言われていたおじいちゃん。描かれた蛭子様みたいに下がった目尻。ランニングシャツ姿…
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孫の顔が見えますか?
前略、もう一年が過ぎましたがそっちはどうですか?あの時、お通夜の最中に破水したお嫁さんを抱えて息子達は、病院へ走り…
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ばあちゃん、捨てらんない
ばあちゃん、私、捨てらんない。ばあちゃんに縫ってもらった手さげ袋。小学校入学のときの。目が悪いのにわざわざ妹と間違…
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もう少しあなたと生きたかった
あなたと出会い十年の結婚生活。それも半分以上がお互いに自宅に住む別居生活で…… 。あれ程入籍しよう、同居しようと言って…
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戒名の意味
今年で十年になりますね。風邪一つ引かないおじいちゃんが癌に心臓を止められた時、私の時も止まったように感じました。寂…