第12回

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  1. 父へ 70代 京都府 第12回 入賞

    父の文箱

     お母さんが、とても大事にしていた黒塗りの文箱があります。あの戦争時の戦地からのお父さんの便りが全て納めてあります。…

  2. 夫へ 70代 秋田県 第12回 入賞

    お父さんへ

    お父さん天国での毎日には、もうすっかり慣れたでしょうか。小さい時に死別した両親、お父さんを育ててくれたおじいさん、お…

  3. 父へ 50代 神奈川県 第12回 入賞

    同級生のお父さんへ

    同級生のお父さんへお父さん、わたし、お父さんと同級生になりました。五十二歳で、早すぎると言われて旅立った、お父さんに…

  4. 母へ 50代 埼玉県 第12回 入賞

    母親に戻った母

     お母さん、ごめんね。認知症にもっと早くに気づいてあげられなくてごめん。結婚して同居していなかったからと言っても、月…

  5. 父へ 50代 山梨県 第12回 入賞

    何処かでお会い致しましょう。

     平成三十一年春。八十八歳。父の闘病生活が終わりました。お父さん、ずいぶん長い闘病生活になりましたね。今はもう痛いと…

  6. 祖母へ 30代 北海道 第12回 入賞

    私の代弁者

     ばあちゃん、私、小さい時うまく言葉が喋れなくて、いつもうなずいて返事をするか、恥ずかしくて言葉が出ないかで「家では…

  7. 友人知人へ 60代 千葉県 第12回 入賞

    古希の聖火ランナー

     昭和三九年、東京オリンピック。聖火ランナーに任命されて、前日まで朝と夕方、ひたすら砂浜を走った俺達。紫と朱色が鮮や…

  8. 母へ 40代 福島県 第12回 入賞

    赤いカーネーション 母へ

     今年もまた、あなたの誕生日がきました。カーネーションが好きだった母。記念日には沢山の赤いカーネーションを贈ると、う…

  9. 祖母へ 20代 大阪府 第12回 入賞

    何気ない風景

     人通りのない道端で、一瞬だけ目を閉じて歩いてみる。目が見えないことがこんなにも不安だなんて、幼い頃の私は気付かなか…

  10. 父へ 30代 東京都 第12回 入賞

    冷たい百円玉

     小学生のころ、週末になるとよくおつかいをたのまれて、近くのコンビニに行きました。お父さん、覚えていますか。おつりが…

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