東京都
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拝啓 片足の戦士へ
時の流れは早いものですね。お父さんがこの世を去ってから、もう五年の月日が経とうとしています。この手紙が、お父さんに…
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「やめて」と言えた日
じいじが天国に旅立ったのは、私が小学6年生の時だったね。じいじは孫の中で一番小さくて、内気で体も弱かった私を誰より…
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おふくろの背中
お袋、俺がけいれんした時の注意事項をもう一度伝える。一、名前を呼んだりしない。二、体を押さえない。三、激しく揺さぶら…
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認知症
おばあちゃんには会えましたか。私たちのこと、思い出せましたか。何かを繋ぎ止めるように毎日毎日チラシの裏に写生された…
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急須の思い出
父さん、そちらの世界はいかがですか? こちらの世界は今コロナ禍で大騒ぎです。昨日お茶を飲もうと急須を手に取った時、う…
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冷たい百円玉
小学生のころ、週末になるとよくおつかいをたのまれて、近くのコンビニに行きました。お父さん、覚えていますか。おつりが…
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言えなくて、ごめんなさい
知らせを受けて病院に駆けつけた時、もう意識が無かったお父さん。八十歳でも、また元気になれると思っていたのに。お父さ…
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父の娘
お父さんそちらでもうお母さんには会えましたか?「お父さまがまだ生きていらっしゃって、お幸せね」六十代半ばの私の年代…
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お父さんごめんなさい、ありがとう
お父さんへお父さんが肝臓がんを患い五十一歳という若さで亡くなったのは、私が十七歳の冬でしたね。あと五年もすれば私は…
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病室からの応援
「自転車で東京から鹿児島まで行く」そう告げた高校三年の夏、サトルは「頑張れよ」とは言わずに「気をつけてな」と言って…