第9回
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命日の味ご飯
空が青く高くなると、またお父さんの命日がやってきます。久しぶりに、お父さんの好きだった「味ご飯」を炊こうと思います…
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あなたからのプレゼント
私は怒っています。交通事故で、お別れの言葉も無く逝ってしまったあなたです。私は悲しみの闇の中でもがく毎日だった。で…
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おばあちゃんの魔法
「風が来た」。木枠の窓が小さくカタカタと鳴り出す。次々と他の窓が震え出し、ガタガタン。といった後、おばあちゃんちの…
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ふたりで一緒に。
もうすぐあなたの四十九日。でもまだあなたが側にいないことが信じられなくて、毎日あなたの写真に話しかけては泣いていま…
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好青年から老紳士へ
じいちゃん、ごめんなさい。僕はどうやら飲兵衛(のんべえ)になってしまったようです。じいちゃんがあんなに身をもって教え…
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母 キヨちゃんへ
「どれ、やってみるか」と、やめればいいのにブリッジをして、頭と背中を板の間にドーン。私が中学の頃だから五十代かな。…
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とてもとても、とても幸せでした
今から十七年前、七十一歳で父は亡くなりました。咽頭(いんとう)ガンでした。入院して二週間ぐらいで亡くなりました。翌々…
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「頑張れし、気を付けろし」
お母さん、とってもきれいだったよ。藤色の着物で、大好きな花に囲まれ、趣味で書いていた習字をまとった、最後の姿が今も…
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トップバッターで旅立った君へ
一良が旅立ってもうすぐ2年。野球部の同期18人のまとめ役で1番の健康体だったはずのお前が最初に旅立ってしまうなんて思い…
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三男から四男へ
朋弥にとって、俺はどんな兄だったのかな。泣き虫なのに口が悪くて暴力的で、小さい頃から喧嘩ばかり。いつも朋弥を泣かし…