近畿
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大丈夫だよ
風邪ひとつひかない丈夫なあなたが年に一度の健康診断で引っ掛かり、病院に行くと末期の肺癌であることがわかりましたね。 …
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かあちゃん ごめん
かあちゃんが死んでから、もう35年もたったね。子どもがでけへんからって夫の兄夫婦から、生後すぐの赤児のわたしをもろ…
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会いたい お母さん、会いたい
お母さん。あなたの声、におい、十年経つ今もまだ覚えています。思い出す回数は減っても、思い出の深さはかわりません。 …
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もう一度だけ
じいちゃんに会いたい。じいちゃんのゴワゴワした手を握らせて欲しい。 じいちゃんは、何でも見通していた。幼い頃、お母…
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「ありがとう」おじいちゃん
おじいちゃん、天国の暮らしはいかがですか。初めておじいちゃんに手紙を書きます。 私生児で生まれ、五歳の時に母が家を…
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最期のエール
「末期の癌にかかっています。余命は……、そうですね。次の桜が咲くまでもつかどうかでしょう」 おばあちゃん、あなたが医師…
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お父ちゃん ありがとな
お父ちゃんが死んで四十七年、いつしかお父ちゃんより十二歳も大きゅうなってしもうたわ。 お父ちゃんもあの頃は元気やった…
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ひまわりさんへ
ひまわりさん、お久しぶりです。勝手に「ひまわりさん」と呼ばせてもらっています。いいよね。あなたとの突然のお別れから九…
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繁兄ちゃん弁当ありがとう
一九五五年(昭和三十年)僕が中学生のときだった。幼いころ両親を亡くしていた僕は、母方の次男であった叔父の家で育てら…
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もったいない精神
元気で何一つ人の助けを必要としなかった母さんは、桜の蕾つぼみが膨らむ三月上旬、ぽっくりと遠い旅へと旅立ってしまいま…