近畿
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孫の顔が見えますか?
前略、もう一年が過ぎましたがそっちはどうですか?あの時、お通夜の最中に破水したお嫁さんを抱えて息子達は、病院へ走り…
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母を看取る
お母さん、お母さんの大好きな施設長が、「最後は娘さん達で看取られては、いかがですか?」と、私達一人ひとりの顔を見つ…
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紡ぎあう愛
お母さん、あなたが亡くなった時、私はなんて親不孝な娘だったのだろうと思う気持ちを止められませんでした。花嫁姿も見せ…
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会いたいと言えばよかった
先生。ずっと内緒にしていたけれど、あなたは私の初恋の人です。目を閉じてあなたを想うとき、大きな垂れ目がさらに垂れて…
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父の伴走
父の初盆が近づいた頃のこと。「お盆はどうするの?」私が父に問う。「うーん、盆は空も混むからなぁ、時期をずらすかな」…
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自慢の父さん
父さん、入院してからたった一週間で誰にも看取られず、母さんのいる天国に旅立ってしまったね。病院からの知らせを受けて…
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あなたからのプレゼント
私は怒っています。交通事故で、お別れの言葉も無く逝ってしまったあなたです。私は悲しみの闇の中でもがく毎日だった。で…
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好青年から老紳士へ
じいちゃん、ごめんなさい。僕はどうやら飲兵衛(のんべえ)になってしまったようです。じいちゃんがあんなに身をもって教え…
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白いベンチで待っていてね
あなたの「行ってきます」の声。私は顔を洗いながら「行ってらっしゃい」と言いました。あのとき、ちゃんと顔を見て言えば…
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感謝とお詫びで─
日本が戦争に負けていなかったら朝鮮で親子六人それなりに平和な暮らしが送れていたかもしれない。引き揚げて裸一貫からの…