関東
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お父さんごめんなさい、ありがとう
お父さんへお父さんが肝臓がんを患い五十一歳という若さで亡くなったのは、私が十七歳の冬でしたね。あと五年もすれば私は…
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主人とコーヒー
私はバスに乗るため、主人が毎日利用したバス停に向かった。久しぶりに歩いてみるとなだらかな坂道が続き、こんなに遠かっ…
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忘れられない 弟へ
義信、お前が亡くなって十三年になる。俺は、お前より二十三年も長生きしてしまった。仕事も退職し今は、溜息ばかりの初老…
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母ちゃん ありがとう
母ちゃん、ありがとう。母ちゃんが30歳の時、生まれた私もいつの間にか91歳となってしまったのよ。皆の前では、母さんとか…
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病室からの応援
「自転車で東京から鹿児島まで行く」そう告げた高校三年の夏、サトルは「頑張れよ」とは言わずに「気をつけてな」と言って…
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最後の気持ちです
「ほんの気持ちです」。あなたが嫁の私に贈り物をする時にいつも添えてくれた言葉です。お誕生日、お中元、お歳暮は欠かさず…
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大丈夫、大丈夫。
生まれも育ちも下町で、江戸っ子だったお母さん。お父さんと二人で惣菜店を切り盛りして「はい、おまけ」「今日はキンピラ…
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伝わっているよ
電車に乗るわけではないのに、ついつい駅の構内に入ってしまうことがある。そこで流れる、音声案内を聞きたいから。音声案…
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ふたりで一緒に。
もうすぐあなたの四十九日。でもまだあなたが側にいないことが信じられなくて、毎日あなたの写真に話しかけては泣いていま…
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母 キヨちゃんへ
「どれ、やってみるか」と、やめればいいのにブリッジをして、頭と背中を板の間にドーン。私が中学の頃だから五十代かな。…