第15回
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お父ちゃん ありがとな
お父ちゃんが死んで四十七年、いつしかお父ちゃんより十二歳も大きゅうなってしもうたわ。 お父ちゃんもあの頃は元気やった…
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母の干ぴょう
「お母さん、あれなぁに?」電話の向こうで、さも嬉しそうに、面白そうに笑う声。「アッハッハッ」「うす茶色の麻縄みたいな…
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決意表明
元気? そっちでは楽しくやってますか? 叔母さんには会えた? お母さんが旅立って三ヶ月。癌の再発からほんとに長い闘いだ…
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私が終生尊敬する貴方へ
あなたがこの世を去って十三年が過ぎました。世の中の変化は急速で白髪の老婆になった私は戸惑うことばかりです。 私達の出…
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ひまわりさんへ
ひまわりさん、お久しぶりです。勝手に「ひまわりさん」と呼ばせてもらっています。いいよね。あなたとの突然のお別れから九…
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繋がる想い
季節の花々を目にする度、父さんが大切に育てた庭を思い出すよ。暇さえあれば庭の手入れしてたね。お陰で四季折々に咲く花は…
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いつも一緒
百歳五か月のお父さんとお別れして、もう二十三年もの年月が過ぎましたね。でも、今だにぼくとお父さんとはいつも一緒に過ご…
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前掛け姿の母さん
あれは、私が小学三年生の授業参観日の時でした。席が後の方だった私に「成績の悪い子供を見に、魚臭い前掛け姿で来てるよ」…
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母の手作り弁当
お母ちゃん、そちらの世界も、紅葉が始まりましたか? 我家の前の桜の木の葉も美しい秋の装いになりました。 この季節になる…
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繁兄ちゃん弁当ありがとう
一九五五年(昭和三十年)僕が中学生のときだった。幼いころ両親を亡くしていた僕は、母方の次男であった叔父の家で育てら…