第15回
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母とおばちゃん
母は父親が軍人で戦時中も何不自由無く暮していました。しかし父親が戦死「食いっぱぐれが無いから」と言われ農家に嫁いだの…
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届けたい年賀状
小学校六年の春、新学期。隣のクラスからは笑い声が聞こえていた。今度の先生はどんな先生だろうかと、わくわくしていた。教…
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待てど暮らせど
「私です!」 二か月前に亡くなった母さんの声が電話から聞こえてきたのには驚いたなあ。 一瞬、あなたが生き返ったのかと…
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よーんなーよーんなー
「また、夏休みに帰ってくることを楽しみにしますよ。あまり頑張りすぎず、毎日元気に過ごしてください。父ちゃんより」。可…
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最期のエール
「末期の癌にかかっています。余命は……、そうですね。次の桜が咲くまでもつかどうかでしょう」 おばあちゃん、あなたが医師…
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お義父さんへ
「イクメン」という言葉はまだなかった時代でしたが、「今考えると、お父さんはイクメンだったなぁ。」とお義母さんは常々言…
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たいした人になる。
じいちゃん、最期に何を思い、何を考え、何を望みましたか。 最後に会ったのは、二〇一一年三月一日。高校の卒業式の後、卒…
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忘れられない日
父さんが旅立った年令に近づきましたよ。でも、まだ父さんに近づけてはいません。今でも「父さんならどう解決しただろう」と…
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もういくつ寝ると
あなたが亡くなって六年が経ち、私は今年還暦を迎えました。遺影の中のあなたは五十歳のままなのに。そして、今年もまたひと…
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あんこの生きられなかった老後を生きる
あんこへ 餡こが好きだったから、私たち同級生から「あんこ」と呼ばれてたね。亡くなる一ヶ月前、一緒に食べたデパ地下弁当…