第11回
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忘れられない 弟へ
義信、お前が亡くなって十三年になる。俺は、お前より二十三年も長生きしてしまった。仕事も退職し今は、溜息ばかりの初老…
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母ちゃん ありがとう
母ちゃん、ありがとう。母ちゃんが30歳の時、生まれた私もいつの間にか91歳となってしまったのよ。皆の前では、母さんとか…
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お父さんへ
「ホーホケキョ・ケキョケキョ」鶯の声だ、上手になったね。ちょっと前までは、へたっぴいで一生懸命練習してたの知ってい…
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会いたいと言えばよかった
先生。ずっと内緒にしていたけれど、あなたは私の初恋の人です。目を閉じてあなたを想うとき、大きな垂れ目がさらに垂れて…
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名前も知らない貴方へ
おじいちゃんへ一度も会った事の無い孫から手紙をもらうなんて、さぞや驚いたことでしょう。孫の綾菜です。今年で高校三年…
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父の伴走
父の初盆が近づいた頃のこと。「お盆はどうするの?」私が父に問う。「うーん、盆は空も混むからなぁ、時期をずらすかな」…
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自慢の父さん
父さん、入院してからたった一週間で誰にも看取られず、母さんのいる天国に旅立ってしまったね。病院からの知らせを受けて…
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病室からの応援
「自転車で東京から鹿児島まで行く」そう告げた高校三年の夏、サトルは「頑張れよ」とは言わずに「気をつけてな」と言って…
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手編みのセーターをありがとう
昌子よ、ご機嫌はいかがかな。今日は毎年教会で行われるお前の合同追悼祭に出て、お祈りをした。そのあと娘の由佳夫婦と大…
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最後の気持ちです
「ほんの気持ちです」。あなたが嫁の私に贈り物をする時にいつも添えてくれた言葉です。お誕生日、お中元、お歳暮は欠かさず…