銀賞
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ありがとう、あなた
あなたが亡くなってからもうすぐ一周忌を迎えますね。今、秋風が吹いて庭の菊が咲きはじめました。今朝、二枝切って仏前に…
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もう一度だけ
じいちゃんに会いたい。じいちゃんのゴワゴワした手を握らせて欲しい。 じいちゃんは、何でも見通していた。幼い頃、お母…
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亡き父へ
「おとう!」あの日から三十八年が過ぎましたね。おとうがいなくなってから私達は、母ちゃんと、おばー(祖母)と弟二人と五…
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天国のお母さんへ
拝啓 フサちゃんの安らかな最期を看取る事ができてから三月が過ぎようとしています。そちらへ行ってからすぐにお父さんに会…
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「ありがとう」おじいちゃん
おじいちゃん、天国の暮らしはいかがですか。初めておじいちゃんに手紙を書きます。 私生児で生まれ、五歳の時に母が家を…
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母の手作り弁当
お母ちゃん、そちらの世界も、紅葉が始まりましたか? 我家の前の桜の木の葉も美しい秋の装いになりました。 この季節になる…
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繁兄ちゃん弁当ありがとう
一九五五年(昭和三十年)僕が中学生のときだった。幼いころ両親を亡くしていた僕は、母方の次男であった叔父の家で育てら…
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オカンのお守り
お袋、覚えてるか。高校卒業後、俺が鮨懐石店に住み込みで働いたときのこと。あの時は大変でさ。初めは追いまわしから、前…
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兄ちゃんかあさん
「おとさんとおかさんの所へ、早よ行きたいわ」 いつもそう言って、ベッドで寝ていた兄ちゃん。ちょっとボケてたけど、私…
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親父のこころ
我が家は四代続く村の鍛冶屋である。のどかな山里に朝からトンチンカンチンと槌の音が響く。 機械化による大量生産、大量…