佳作
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お父さん又ぶら下がって歩いていい?
お父さん、庭の百日紅の花が一枝二枝と咲き始めましたよ。寝ていたあなたに最後に見えていた光景が、この赤い花だったと思…
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天国三丁目の父ちゃんへ
「俺は母親の顔を知らない」幼くして母を亡くした父ちゃんは、人一倍寂しがりやだったね。その言葉も若い頃はそれ程重みは…
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おっ母さんがくれた褒美(ほうび)
私が小学校に入学した頃、なんで家(うち)のおっ母さんは字を教えてくれないのかと、そんな疑問を持っていたよ。しかしおっ…
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小さな約束
六十八歳。とうとうあなたの歳まで、あと二年と迫りました。この歳は、あなたが病巣の摘出手術に臨んだ歳でもありますね。…
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後悔と、感謝と
母さんが大嫌いでした。学校の参観日といえば、腐った藁しか想像できないような柄の長袖ワンピースに下駄履き。顔は赤銅色…
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SAKURA
今朝もあの子があなたの写真に、「パパ、おはよう」って話しかけてたの、聞こえた? 最近は男の子よりも元気で、来年からい…
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後悔のない嘘
お母さん、お母さんが私の腕の中で息を引きとって四年も経つというのに、どの季節にもお母さんの面影・ぬくもり・香り・語…
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かあちゃん ごめん
かあちゃんが死んでから、もう35年もたったね。子どもがでけへんからって夫の兄夫婦から、生後すぐの赤児のわたしをもろ…
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お父さんへ
お父さん、私は前よりも少し、料理がうまくなったよ。 あの日の事を覚えていますか。私が昼食を作っていた時。「お父さん…
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あなたへ
天国でのんびり暮らしていますか? あなたがいなくなって二十年以上たち高校生だったケンはもう四十歳、立派な中年です。…