佳作
-
お揃いの靴
あなたと知り合ったのは就職一年目。幼稚園教諭となり試行錯誤の毎日。慣れない仕事に書類などにも追われ、休日も一緒に仕…
-
また逢う日まで
がんの告知を受けてからも穏やかに暮らしていたあの頃……散歩中に「今、一つ叶えられることがあるとしたら? 」とあなたに聞…
-
おじいちゃんの写真
「仏様みたいに穏やかな人じゃ」と皆に言われていたおじいちゃん。描かれた蛭子様みたいに下がった目尻。ランニングシャツ姿…
-
孫の顔が見えますか?
前略、もう一年が過ぎましたがそっちはどうですか?あの時、お通夜の最中に破水したお嫁さんを抱えて息子達は、病院へ走り…
-
ばあちゃん、捨てらんない
ばあちゃん、私、捨てらんない。ばあちゃんに縫ってもらった手さげ袋。小学校入学のときの。目が悪いのにわざわざ妹と間違…
-
会いたいと言えばよかった
先生。ずっと内緒にしていたけれど、あなたは私の初恋の人です。目を閉じてあなたを想うとき、大きな垂れ目がさらに垂れて…
-
名前も知らない貴方へ
おじいちゃんへ一度も会った事の無い孫から手紙をもらうなんて、さぞや驚いたことでしょう。孫の綾菜です。今年で高校三年…
-
父の伴走
父の初盆が近づいた頃のこと。「お盆はどうするの?」私が父に問う。「うーん、盆は空も混むからなぁ、時期をずらすかな」…
-
自慢の父さん
父さん、入院してからたった一週間で誰にも看取られず、母さんのいる天国に旅立ってしまったね。病院からの知らせを受けて…
-
病室からの応援
「自転車で東京から鹿児島まで行く」そう告げた高校三年の夏、サトルは「頑張れよ」とは言わずに「気をつけてな」と言って…