入賞
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ずっと母と子
三月に八十五歳で母は生涯を終えた。母は花が大好きな人だった。わずかなスペースを見つけては種をまき育てるので、狭い我…
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父さん。もうすぐ50年ですね
父さんが亡くなる時、「こわいよー、こわいよー」と泣いて側に行くのを嫌がった事だけは、よく覚えています。私が6才4ヶ…
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宝石箱 大切にしています
お父さんに手紙を書くのは、20年前の結婚式の時の感謝の手紙以来ですね。「この宝石箱をもってお嫁に行くと、きっと幸せにな…
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もう一度、会いたい
お父さん、やっと見つけました。お父さんと繋がれる郵便屋さんを。今だからこそ伝えたいこと、今じゃなきゃ伝えられないこと…
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ここにおるき
そう、あれは確か私が小学校に上がるか上がらないかのころでしたよね……。 あのころから、人一倍寝つきの悪かった私。あな…
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この先も、ずっと。
何年経っただろうか。いつからか、母のいない生活が当たり前でそれがこの家族では普通なんだと思う。でもやっぱり、友達に…
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兄ちゃんありがとう
兄ちゃんが極楽に行ってもう六十五年になるね。その間俺はずっと心の中に残っている事が有って、兄ちゃんの墓参りをする時…
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あの約束は無しにして
今年も私の好きな秋がめぐって参りました。秋晴れの高い空に浮かぶ雲を見ていると、あなたの声が降ってくるような気がしま…
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天国のじいちゃんへ
じいちゃん、貴方が亡くなって、もう四十年、その年に生まれた私の長女が、四十歳になります。残念ながら、ひ孫の顔を見せ…
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—天国の妻へ— 愛の別れ
安らかに、眠れていますか? あなたと永別してより、私はよく眠れません。まだ杖は離せませんが、足の痛みはだいぶよくなり…