60代
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お父さん又ぶら下がって歩いていい?
お父さん、庭の百日紅の花が一枝二枝と咲き始めましたよ。寝ていたあなたに最後に見えていた光景が、この赤い花だったと思…
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父の決断
父さんが逝って、もう二年になるのですね。この頃ようやく、あの当時を振り返る事が出来るようになりました。思えば、母さ…
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父さん ありがとう
父は存命なら、今年九十三才である。父は今から六十七年前、二十六才の時に病で亡くなった。私が生まれて六十日目の事だっ…
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お母さん、また会おうね
お母さんが突然倒れ、巨大脳動脈瘤であることが分かったときは、突然ハンマーで頭を打たれたような気持ちでした。先生から…
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トーストとコーヒー
あなた、そちらでは誰が集合をかけているのでしょう。わたしの周りから一人二人とそちらの方へ向かっています。やはり楽し…
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天国三丁目の父ちゃんへ
「俺は母親の顔を知らない」幼くして母を亡くした父ちゃんは、人一倍寂しがりやだったね。その言葉も若い頃はそれ程重みは…
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小さな約束
六十八歳。とうとうあなたの歳まで、あと二年と迫りました。この歳は、あなたが病巣の摘出手術に臨んだ歳でもありますね。…
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代筆でごめんなさい
お父さん、お誕生日おめでとうございます。ええと、何回目の誕生日でしたっけ。ごめんなさいね、あまり長い間お父さんの歳…
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父の遺言
お父さん、お父さんが天国に旅立ってもうすぐ十年になりますね。 肝臓がんが再発し、たった六十日のいのちと宣告された事…
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あなたへ
天国でのんびり暮らしていますか? あなたがいなくなって二十年以上たち高校生だったケンはもう四十歳、立派な中年です。…