お母さん、私は今幸せですよ。夫と子供四人、元気に暮らしています。夢のマイホームも手に入れ、待望の長男も今年生まれました。経済的にはちょっと余裕はないけど、みんなの笑顔と健康があればどうにか乗り越えられると思って頑張ってます。お母さんが亡くなってからはや七年が経ちました。父は白髪が増え、やせて少し元気をなくし、生前みたいに笑うことがなくなりました。それでもお母さんの笑う遺影に手を合わせ、みんなの健康を祈っていてくれます。お母さん、私たちはお母さんが亡くなって得たものがあります。それは“絆”です。ちょっとだけバラバラになっていた家族がみんな寄り添い心ひとつになりました。
母が亡くなったことで、命の尊さを知りました。母が亡くなったことで、みんなが母を想う気持ちを知りました。母が亡くなったことで、ご先祖様の大切さを知りました。母が亡くなったことで、みんなの心に大きな穴が空いてしまったこと。そしてそれを埋めるのには時間がかかることを知りました。そして“母”という偉大な存在がいなくなってしまったのが悔しくて仕方がありません。
『お母さん、いなくして、里はなし』……。
出産の時、側にいてほしかったなぁ。心細かったよ。長女の出産の時のように、腰をさすってくれた時のあの感触を探しました。痛くて痛くて、心の中で“お母さぁーん”と叫んでいたんですよ。
お母さん、私は何歳になっても貴方の温もりをずっと探し続けるでしょう。そしていつか会える日を楽しみにして毎日生きていきます。会った時は一番に抱きしめたいです。
お母さん、もう一度言います。
私は幸せです。