タケ、俺とお前は誕生日がすごく近くて、誕生日にお互いおめでとうを言い合った。悩みがある時は真剣に聞いてくれたし、俺の悪いところもはっきり言ってくれた。本音でいつもぶつかってくれて、本当の親友だったと思っている。
タケ、中学校の卒業式の後、二人で将来の夢を語り合ったね。その時、タケは高校を卒業したら料理人になっていつかは自分の店を持つんだって俺だけに夢を教えてくれた。「将来、店を持ったらかっちゃんを誰よりも最初に招待するよ!」と言ってくれたこと、本当に嬉しかった。俺は環境問題を解決できる仕事に就くことが夢だと言ったら、「かっちゃんならできるよ、絶対。俺はずっと応援しているから!」と言ってくれたね。その言葉にどれほど励まされたか。
タケ、お前が高校を卒業して新潟の料理屋で料理人の修行を始めたって久しぶりの電話で教えてくれた時、自分のこと以上に嬉しかったよ。夢を叶えるための道を俺より先に歩んでいて、眩(まぶ)しくさえ感じた。
タケ、それなのにその電話の二ヶ月後、十九歳の春、トンネルで居眠り運転のトラックに突っ込まれて、お前は亡くなってしまった。悔しかったよな。俺も悔しかったよ。許せなかったよ。信じたくなかったよ。色々な感情とこれまでの思い出がぐちゃぐちゃに織り混ざって、心が壊れそうだった。
タケ、俺は夢を叶えることができて、今日も環境問題に立ち向かっている。なぜ俺が夢を叶えられたか、それはタケ、お前のお陰なんだ。お前の葬式の日、俺は絶対にお前と一緒にこれからの人生を生きる、お前が悔しかった分まで頑張る、嬉しい時はお前と一緒に喜ぶ、そう決めたんだ。一周忌も三回忌も、地元を離れても、五百キロ以上運転して、小高い丘に沢山の花が咲き乱れる春には、必ずお前に会いに行って手を合わせ誓った。夢半ばで挫折しそうになっても、今日まで頑張れたのも、全部お前のお陰なんだ。
タケ、俺はこれからもお前と共に生きる。これからもよろしくな。