お父さん、御免ね、足元寒くないですか。お気に入りの背広、ネクタイ、ハンカチ、ティシュまで忘れずに持たせてあげたのに、肝心の「くつ下」忘れちゃって。忘れ物に気づいたのは、最後の別れの時。でも水虫になってたから、良かったかな?
平成16年6月22日突然天国へ単身赴任してしまって、私の手元には、渡すはずだった誕生日プレゼント、まだ残ってますよ。
あれから6年。そちらの生活はいかがですか。娘、24歳で結婚して、孫娘は2歳半になり私もババになりました。時々不思議そうにあなたの写真みてますよ。彼女がもう少し成長したら、あなたの事知らせましょう。息子は、あなたゆずりのハンサム君。大学4年生、就活・バイトに頑張ってます。車が大好き、カッコイイ車を買わされました。でも安全運転してます。ただね、「お父さん元気だったらいろいろアドバイスしてくれたのに」とか、「一緒にお酒飲みたかったし、話を沢山したかった」と言われると、一番つらいし、悲しいです。
覚えてくれてますか、「退職したら旅行三昧しよう」。果たしてくれてません。つい最近まで、夢に登場してくれてたのに、御無沙汰ですね。私より好みの方が出来ましたか。確認してみたいけど、仕方ありません、目をつぶるといたしましょう。
今年6月25日は、60歳の誕生日でした。用意した好物いかがでした。お気に召していただけましたか。還暦のあなたにプレゼントとラブレターを届けたいのですが、久しぶりに「夢デート」しませんか。天国の住所そっと教えて下さい。誰にも他言しませんから。
でもね、再会するのは、あと30年待って下さい。私があなたの赴任先に行く時が来たら出来る限りの若作りをして参ります。そしたら、お願いです、あと2年で迎えるはずだった「銀婚式」挙げて下さいね。