たった一度の人生で優しいあなたと巡り会えた事、本当に奇跡だったんだね。
結婚当初は、共同トイレ・洗面所でお風呂もなく、洗濯機も買えず貧しかったけれど、一緒にいるだけで毎日が楽しかったよね。転勤が多く大変だったけれど、三人の子ども、三人の可愛い孫に恵まれ「これから二人でのんびり残りの人生を楽しもうね」と語り合っていたのに……思いもかけずあなたの病気が判りました。
一番辛く悲しく悔しいはずのあなたが「僕は死を覚悟したから恐くないし大丈夫だよ」「子ども達に生き様を見せたいと思っているんだよ」と私の不安、悲しみすべてを全力で受け止めてくれ、沢山の想い出と言葉を遺してくれましたよね。あなたの写真と言葉を部屋中に飾り、一日何回も眺めて元気を貰(もら)っています。
「今度結婚する時は、六畳一間からではなく最初からリッチな生活をさせてあげたい」と言ってくれたけれど、大好きなあなたと一緒に暮らせただけで十分幸せだったんだよ。
「僕は、どこにも行かないよ。いつもあなたの側にいるよ」と何回も言ってくれたせいか、私は空を見上げても瞬(またた)く星を見ても、あなたはあんな手の届かない遠い所にはいないと、なぜかほっとしています。
一年間常に前向きで、最期まで笑顔で頑張ってくれたあなたに笑われないように、誉め上手だったあなたに誉めてもらえるように、会える日を楽しみに、今まで通りいつもあなたが側にいると信じて、頑張って生きていきますね。
相変わらず弱虫で泣き虫で甘えん坊の私の事、呆(あき)れずに見守っていて下さいね。
あなたが大好きな家族に託した言葉のように、仲良く助け合って暮らしています。安心して下さいね。
「じいじは、優しい、面白い、かっこ良い、何でもできる」と孫達からも今でも人気者ですよ。優しいあなたに守られて私達家族は、今まで安心して暮らす事ができていたんですね。
かけがえのないあなたを失い、改めてしみじみ感じています。
大きな大きな愛で家族みんなを包んでくれて本当にありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです。