あなたが、居なくなって、二回目の秋も、終わりました。突然の余命宣告から二年ですね。結婚以来ずっと一緒に仕事をしてきた私にはいまだに信じられないよ。あなたの居ない事が。
平成二十一年には、お米の食味コンテストで金賞、県知事賞を受賞しましたね。二十才で就農以来、真剣に取り組んできた結果でしたね。表彰式の時「一緒に行くか？」と言った時、行かなかった私、今では、とても後悔しています。あの時一緒に行って、あなたの笑顔を見ておけば良かったと……。
今年はね、学が稲作二年目で食味九十点を出しました。とても喜んでいます。お父さんの書き残した栽培ノートを忠実に行い、自分なりの工夫をして管理をしたからでした。とても美味しいお米が取れましたよ。一年目はハラハラドキドキでしたが、二年目の今年は良く出来たと少し自信がついた様です。来年もコンテストに挑戦して、あなたの賞状の横に自分のを飾りたいと言ってるよ！良かったね、お父さん。世間の人は、「大学を出して百姓をやっていて、もったいない」と言うけどね。ほとんど息子とは一緒に仕事が出来なかったけど後を継いでいるよ。農協の指導員も親切にしてくれるし、地域の人達も暖かい目で見守ってくれるよ。全部あなたの人脈によるものです。ありがとう。今年からは、遊休農地を耕作するようにがんばっているよ。田んぼ一面緑にするのが、あなたの夢だったよね。私も、もう少しがんばって若い人達に渡します。
ちゃんと見守っていてね。
あなたへ