友人知人へ 20代 埼玉県 第10回 佳作

ひとりじゃない、貴女がいるから大丈夫。
長谷川 唯 様 26歳

 「大丈夫、私は貴女の味方だよ」。その言葉は私の支えになっています。貴女が天国へと旅立って8年が過ぎました。私も今では社会人5年目。毎日忙しい日々を過ごしています。小学校1年生の時、クラスに馴染めない私に「友達になろう」と声をかけてくれたのは貴女でした。私が落ち込んでいる時も「大丈夫……私がついてるから」と貴女は優しく励ましてくれましたね。小学校6年生になった時、私はクラスでいじめに遭いました。友人にも裏切られました。誰にも相談することも出来ず、ただただ絶望し、自殺しようとしたこともありました。そんな私の異変に気づいたのは、隣のクラスだった貴女だけでした。そして貴女に全て打ち明けました。「ごめんね、私がもっと早く気が付いていれば……」と自分のことを責める貴女に対し、「どうして私に優しくするの?」と私は心にもない言葉を返しました。「だって、大切な友達だから。友達が悩んでる時に手を差し伸べるって当然のことでしょ?」。貴女の言葉がグサリと刺さり、大泣きしたのは今でも覚えています。貴女のおかげで、私は不登校にならず、小学校を卒業することが出来ました。

高校3年生になった時、友達経由で貴女が脳腫瘍で入院したことを知りました。当時の私は、大学受験勉強や生徒会役員の仕事に追われていてお見舞いに行くことが出来ませんでした。小学校時代から体調を崩し入退院を繰り返していたのを知っていながら、「元気になってお互い大学受験が落ち着いたらまた会おう」と考えていたことを今でも後悔しています。「あの時少しでも時間を割いて貴女に会いに行っていたら……」とタラレバ考えるだけで心が痛くなります。そして高校の卒業式を目前に控えた3月、母からのメールで貴女の訃報を聞きました。頭の中が真っ暗になりました。「助けてもらってばかりだったのに……」。お通夜の日、安らかに眠る貴女の前で「ごめんね……本当にごめんなさい……」と泣きながら謝ることしか出来ませんでした。

貴女が天国へと旅立ってから気づいたコトがあります。私が毎日笑顔で過ごせているのは、貴女が私を支えてくれたから。落ち込んだ時に「大丈夫」って奮い立つことが出来るのは、貴女が優しさと勇気をくれたから。本当にありがとう。どんなに苦しいことや悲しいことがあっても大丈夫。だって私には貴女という強い味方がついているから。

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